8月30日(土)に、若手の酪農家の応援を目的にした牛乳生産者交流会が阿蘇ミルク牧場で開催されました。生協くまもとの共同購入カタログ「くまるしぇ」に掲載された「親子牛乳交流会」の記事を見て応募された方から、抽選の結果親子19組72名が参加されました。
まずは主催者のコープ九州の新井さんの挨拶に始まり、らくのうマザーズの清田社長にお言葉をもらった後は若手酪農家さんの古庄さんのお話がありました。古庄さんが参加者の皆さんに「質問はないですか?」と聞くと、この時はもう牛舎を周って牛さんに触れたり、餌をあげたりと体験をしてきた後でしたので、沢山の質問が出てきました。
子どもさん:どうして角が生えないようにするのですか?
古庄さん:人間に飲んでもらうために牛乳を出す牛は、搾乳するときに、酪農家にケガをさせないように角を処理します。また、角が生えている牛は、角が生えていない牛に対して強くなります。そうしたら牛に上下関係ができてしまうので、二つの意味があり生後2か月ぐらいの時に焼いて生えないようにするのです。
お母さん:焼くときは、牛は熱くないのですか?
古庄さん:すごく熱いと思います。でも小さいうちに処理をすると少しでも角が小さいので、大きくなってからするよりも処理をする時間が違います。たまに牛が暴れたりすることもあるので、少しでも痛くないように獣医さんに麻酔を打ってもらって、痛くないよう にしてから処理をするんですよ。
子どもさん:ミルクが出なかったときはありますか?
古庄さん:めったにないですけど、極度のストレスがかかって、1~2日出なくなったことはありますね。例えば、違う酪農家さんのもとに引き取られて、牛舎を変わった時などに見られます。でも、少ししたらまた出るようになりますよ。また、産んだ子牛が大きくなるとだんだん出なくなってきます。ですからそれから母牛は2ヶ月間休息をとります。これは牛のリフレッシュ期間で、放牧して、また妊娠に備える体をつくる時間にしています。
子どもさん:どうして黄色い名札が付いているのですか?
古庄さん:耳についていましたね。あれは人間でいう住民票のようなものです。個体識別番号と言って、この牛はこの酪農家のこういう牛です、とわかるようにしているのですよ。
子どもさん:牛は一生にどのくらい子どもを産みますか?
古庄さん:私たちは残念ながら一生を見るわけではないのですが、平均3~4頭産みますね。すごい牛になると10頭以上産む牛もいますよ!
そして、あと一人の若手酪農家さんである内田さんのお話がありました。内田さんはお家が酪農家だったこともあり、小さいころから酪農家になりたいと夢を抱いていたどうです。しかし、いざ仕事として酪農をしてみると牛が可愛い、という気持ちだけではできないことを実感することになりました。牛が病気になると自分が情けなくなったり、たまに辞めたくなったりすることがあるそうです。でも、沢山の応援をもらったり、可愛がっていた牛が自分になついてくれたりすると、やっぱり続けようと思うのだそうです。これからも何度も辞めたいと思う時があると思うけど、自分は酪農を辞められないと思う、と話す内田さんの姿は、とっても格好良くて美しく見えました。
お話を聞いて昼食後、乳搾り体験やバター作り体験がありました。
乳搾りでは「あんまり上手にできなかった」という子どもさんや「薬指までギュッと絞めてもお乳は出なかったけど、小指を閉めたらピューって出てきた!」という子どもさん。「プニプニしてあったかかった」などという可愛い声が聞こえてきました。
バター作りでは、生クリームを振るビンの音を聞きわけながら、ミルクの窓ができたら完成間近です、と指導してもらいました。教えてもらった通りに一生懸命に頑張る子どもさんを、お母さんやお父さんが応援します。「まだかなぁ?できてる?」「あ!窓ができたよ!」と、出来上がるのを楽しみに振り続ける姿が可愛くてたまりませんでした。
最後に。内田さんからのメッセージです。
「夢をもつ君たちへ。いくつも夢はあっていい。ただ、途中で諦めてはいけません。諦めなければいろんなことが叶うと思うので、頑張ってほしいと思います!」と。
私たちも、牛乳を飲み続けることで若手酪農家さんを応援したいと思います。今日試飲して「アイスクリームみたい♪」という言葉をもらった生協のおいしい牛乳です。骨の成長に良い栄養たっぷりの牛乳で、カルシウムをしっかり取っていきましょうね。
組合員活動推進委員:小篠報告